HITCHCOCK

 『HITCHCOCK』はサスペンスの巨匠ことアルフレッド・ヒッチコックが名作『サイコ』を制作している時期のエピソードを映画化したものです。

 『北北西に進路を取れ』に続く作品の原作を探していたヒッチコックは、実在の殺人鬼エド・ゲインの犯罪を基に書かれた『サイコ』という本に出会う。『サイコ』が気に入ったヒッチコックはこれを映画にすることを決意するが、内容があまりにもショッキングなため映画会社は出資に難色を示し、自費での撮影を余儀なくされる。映倫からは数々のシーンにクレームが付き、周囲からの評判も芳しくない。次第にヒッチコックは追い詰められ……というストーリー。

 DVDパッケージの紹介を読む限りではヒッチコックが狂気に取りつかれるような作品かと思いましたが、特にそんなことはなく、数々の障害をヒッチコックがどのように乗り越えていったのかに焦点が置かれたドキュメンタリー的な映画でした。

 ヒッチコック役の役者(アンソニー・ホプキンス)も凄く良かったですが、それ以上にヒッチコックの妻であり、長年連れ添った脚本家でもあるアルマ役の役者(ヘレン・ミレン)が良かったですね〜。全編に渡って彼女がカッコ良かったです。

 全体的に過剰なところがなく、無駄なところもない、スマートで面白い映画でした。90分ほどでサクッと終るのもいいですね。